父が持っていた一部の本の奥付の上あたりには、買った日付とサインが書いてある。ときには、買った場所とその日の出来事も一緒に。特に20年前あたりに購入したものには必ず書いてある。
これは父の習慣だと思っていたが、もしかしたら母を真似て始めたことかもしれないと気がついた。
母は本が好きで、母の弟(叔父)曰く、ご飯中も本を読んでいるような筋金入りの文学少女だったらしい。学生時代に読んでいたであろう本には、サインや日付が書いてあった。
父がサインをしているのは、おそらく結婚した後の本だ。きっと父は母のそういったところにもひかれていたんじゃないかと勝手に想像する。
少しずつ本棚を整理している。普段見えなかった位置の本を手に取り眺めると、古本屋さんにいるかのような気分になりわくわくしてくる。家に持って帰ろうと思い、いくつか本を選ぶ。父のだと思っていたら、母の本も混じっていた。本を引き継げるのはとても嬉しいことだなぁ。父と母の何がわかるのかわからないけれど、大切にしたいと思う。
もらうことにした本たち。どんどん増えちゃった。