めにみえないこと

また書くね

しあわせ

風立ちぬを観終えたパパと電話

素晴らしかったって

 

「夢があって、飛行機を追いかけて、

ああやって出会って、恋をして、

病気はもちろんつらいけれど、

好きな人のそばにいて、最後のときをすごして

...それは幸せだよなあ」って

 

「今、その時を生きているっていうのが

大事なんだよなあ」って パパは言いました

 

「苦しむようなシーンは一切描かれていなかったけど

きっとすごく苦しいことだったよね

決心があるっていうのは、ああいうことなんだよね」って

言い合いました

 

 

パパはきっとママに恋したときのことを

思い出したんだと思う

 

まわりがなんと言ったって

ふたりで過ごしたことが本当に幸せだったんだと思う

 

だからあんな風に言えるんだと思った、

パパの娘でよかった

 

 

 

パパが、ママと過ごした

なんてことない日々のことを

話してくれた

 

ママが病気になってから

七草粥を作ってくれたときのこと

光の射すキッチン あたたかな湯気

ママの背中が浮かんでくるようでした

 

パパはその光景が、瞬間が、

これこそが幸せなんだなあと初めて気がついて

泣いてしまったんだって

幸せってなんてことないことなんだって

人生はそれの積み重ねだから

今こうして電話をしていることも

一緒に映画を観ることもそうだよって

 

パパの声は震えていたし

わたしも泣いてしまった

 

 

幸せはなんてことない日々のなかにあって、

そう思うときっと相手にもやさしくできたりするんだよなって

今のわたしに足りていないこと

知らず知らずに教えてくれるあたり

さすがだなあって思った

 

こういう深夜の電話にきっと大きな意味がある

離れて暮らしていてもパパにできること、

パパとできることはきっとたくさんあるんだな

 

...........

 

パパのことばをそのまま書きたかったけれど

わたしを通すと幼稚なことばになってしまうなあ。

でも大きな意味はこんなこと。でした。