部屋中が、愛でいっぱいだった
12/12(土)へろ戦記 荻窪頂上作戦※満席
福岡の老人介護施設、「よりあい」が発行する超おもしろい雑誌『ヨレヨレ』。
この雑誌『ヨレヨレ』の企画、取材、撮影、執筆、編集、レイアウト、制作進行、おつかいなどなどを一人でこなす福岡在住の編集者・鹿子裕文さんが、初の書き下ろし書籍、『へろへろ 雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々』(ナナロク社)を上梓しました。
雑誌『ヨレヨレ』同様、「宅老所よりあい」を舞台にしながらも、『ヨレヨレ』では描ききれなかったさまざまな物語――雑誌『ヨレヨレ』誕生のいきさつ、貧乏な介護施設「よりあい」があの手この手で必死でお金を集め、ついに「総額3億2千万円の特別養護老人ホームを建てるまで」の話――が、『へろへろ』ではたっぷりと語られています。
書籍の刊行を記念し、同じく「よりあい」との縁も深い詩人の谷川俊太郎さんをお招きしてしゃべり倒します!会場では『ヨレヨレ』と『へろへろ』、谷川さんの詩集『あたしとあなた』の販売&サイン会も開催します!
ひとの縁とか、タイミング、とか、人生を変えるような出会いとか、
よく聞くし、なんとなく体験したことあるような気がしていたけど。
誰かの人生が、誰かとの出会いによって、大きく変わる。
自分で掲げていた目標とか、夢とか、そういものとは別の引力で。
ぐるぐると、宇宙みたいに、すごい勢いで
その渦に、少しだけ触れさせてもらったような、そんな時間だった。
そのことを話しながら目に涙を浮かべる鹿子さんを見て、
下村さんは大爆笑した。やだ、泣いてるわ、みんなで笑ってあげてよって。
きっとこの明るさに、何人もの人が救われてきたんだろうな。
それを見て、私は少し泣いた。
愛だ、と思った。
下村さんたちが「宅老所よりあい」をはじめたことも
そこに谷川俊太郎さんが関わり続けることも
鹿子さんのつくる雑誌が読みたい!と下村さんが言ったことも
そんな鹿子さんのつくったヨレヨレが編集者の方の心を動かしたことも
そして鹿子さんの本が読んでみたい、と執筆の依頼をしたことも
鹿子さんがつくるものも書く文章も
そんな話を包みながら聞いていた6次元の空気も
全部全部愛が根底にあった。
だから、ひとの心が動いたんだ。
誰かの人生が変わった出来事。
とあるふたりが、ひとりの男性を心配して持ちかけたこと。
詩人ではない、谷川俊太郎のこと。
福岡のとある宅老所の話。
とんでもないばあさんがいたという話。
どれもこれも、昨日までは知らずにいたこと。